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Trailer トレーラ

車検(継続検査)



早いもので、トレーラを購入してから2年が経ちました。日頃のメンテナンスは結構マメに行っていたのですが、海水に浸けて使用するため、ガルバナイズド処理(亜鉛ドブズケ)が施されていない車軸とリーフ・スプリングがかなり錆びてきました。過去に防錆処理を幾度か試みたのですが、決定的な効果は得られませんでした。今回は車検を受けるのがメインなのですが、防錆についても「三度目の正直」を期待して新しい試みをしてみました。


防錆処理

リーフ・スプリングの錆→クリックで拡大 車軸下側の錆→クリックで拡大 車検(継続検査)の「装置に関する検査」の中に「車枠及び車体」という項目があり、フレームに著しい損傷や腐食があると自動車検査証が返納されないことがあります。「著しい損傷や腐食」というのは検査官の視認判断によりますが、サビサビ状態で車検に臨むのは常識的に考えて問題があります。今回車検を受検する私のトレーラは、写真のように車軸を中心にガルバナイズド処理されていない部分(シャシブラックを塗っていた車軸の下側とリーフ・スプリング)が大分錆びています。

上塗りの塗装→クリックで拡大 重防錆プライマー塗布→クリックで拡大 過去の防錆処理の結果(Trailer >>セッティング >>防錆処理 )からも、なかなか良い防錆剤が見つからなかったのですが、中国塗料株式会社から発売されている「有機系ジンクリッチプライマー」(商品名「エピコンジンクリッチプライマーB-2」)が防錆効果の高いことを知りました。「プライマー」ですから下地塗料ですが、亜鉛粉末がエポキシ樹脂に混合され、亜鉛の犠牲腐食を応用した強力な防錆効果を発揮するようです。同社では「重防錆プライマー」と分類しています。

施工の前にサンダーで既存の錆を出来るだけ除去し、シリコンオフで脱脂清掃します。次に塗料 6:硬化剤 1をよく攪拌し、刷毛塗りで丁寧に塗れば完了です。硬化剤を混入するタイプの塗料は溶剤蒸発型乾燥ではなく反応型乾燥ですから、常温で24時間以上放置した後に上塗りをすると良いでしょう。今回、塗り色が適当で、付着性が良いシリコン樹脂を主成分とする耐熱塗料「テルパス3700」(大信ペイント株式会社)が手元にあったので、これを上塗りとして塗ることにしました。


2003年 7月20日
 三度目の正直を目論んだ防錆処理ですが、今回の処理は「ほぼ正直」になったようです。施工後半年以上経過しましたが、以前のような目立った発錆はありません。定期的に上塗りを施さなければならないでしょうが、根本的に錆が出にくくなっているので、メンテナンスは大変楽になりました。

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車検整備

トレーラの車検は構造が簡単なので、ポイントを押さえれば難しいことはありません。以下にトレーラの場合の要点を列挙しますので、参考にしてください。

走行装置(ホイール、タイヤ)

走行装置の点検→クリックで拡大 この項目はトレーラの走行に関する装置類を指しますが、具体的には車軸(破損・腐食の有無)、ホイール・ベアリング(損傷・がた・グリース漏れの有無)、ホイール(損傷・変形の有無)、ホイール・ボルト(損傷・折損の有無)、ホイール・ナット(損傷・緩みの有無)、タイヤ(タイヤ溝1.6mm・外観の傷・劣化・空気圧などの状態)を点検します。不具合があれば、適正な状態に修復しておきます。
ホイール・ベアリングの状態については、昨年(2002年)8月にTrailer >>ハブ・ベアリングの交換 を実施しましたので、今回は重整備とはなりませんでした。また、スペア・タイヤは必需品ではありませんが、外観と空気圧、取り付け状態などを点検しておきます。

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制動装置(ブレーキ)

各リンク部の給油・ワイヤの伸びなど→クリックで拡大 ブレーキ・レバーの作動状況→クリックで拡大 ボート・トレーラの制動装置は単独で動作する「駐車ブレーキ」と普通トレーラ等に装備される「慣性ブレーキ」の二種類があります。私の軽トレーラには慣性ブレーキはありませんので、駐車ブレーキのみの点検となりました。制動装置の検査は厳しく行われますので、十分点検します。
ブレーキ装置が確実に動作するか(簡単に駐車ブレーキが掛けられるか)、各部に損傷がないか、確実に制動および解除ができるかなどを点検します。各リンク部の給油、ワイヤの損傷・伸びの有無、ディスクやパッドの摩耗状態、装置の作動状況、ブレーキの引きしろなどを中心に点検・整備します。

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緩衝装置(サスペンション)

フレームと車軸を連結する部分がサスペンションです。リーフ(コイル)・スプリング、ショック・アブソーバ(あれば)などで構成されます。スプリングの損傷、取り付け部のブッシュの劣化、取り付けボルト・ナットの緩みなどを点検します。取り付けボルト先端には緩み防止用の「割ピン」が挿入されていることが多いので、これも点検しておきます。

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車枠及び車体(フレーム)

前項で説明したように、著しい損傷や腐食があれば修復しておきます。また、フレームには「車台番号」が刻印されています。車検時に確認されますから、現場で探し回らなくても良いように、その場所を事前に確認しておきます。

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連結装置(カプラ)

カプラの点検→クリックで拡大 トラクタ(牽引車)と連結するカプラの点検です。車検には該当トレーラの車検証に記載されているトラクタ(複数の場合は内1台)で牽引して行きます。連結装置の作動がスムーズか、給油状態、安全チェーンの取り付け状態などを点検しておきます。

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物品積載装置(バンクなど)

バンクとキール・ローラ→クリックで拡大 バンクと反射板→クリックで拡大 ボートを積載する装置全てを含みます。前方からバウ・タワー、バウ・ローラ、ウインチ、バンク、ボート・ガイド、キール・ローラ、フックなどの外観を点検し、各取り付けボルトの緩みなどを点検します。

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指示装置(灯火類など)

車幅灯→クリックで拡大 尾灯類とトレーラ用三角反射器→クリックで拡大 最後に灯火類の点検を行います。トレーラのプラグをトラクタの電源コネクタに接続し、尾灯(テール)、制動灯(ブレーキ)、方向指示器(ウィンカー)、非常点滅灯(ハザード)、後退灯(バック)が確実に点灯するか、レンズに傷や割れがないか、トレーラ用三角反射器の取り付け状態や傷の有無を点検します。また、トレーラ中央に取り付けられている車幅灯の点灯状態を確認します。トレーラには前部反射器が必要ですので、車幅灯と兼用の場合、レンズの前面に反射器部分が存在するか確認します。
トレーラ購入時からフレーム後部左右に赤い側方反射器が取り付けてありました。これは長さ6メートル未満の普通トレーラおよびポールトレーラの後部に必要なのですが、軽トレーラには規定がありません。あっても構わないようなので、そのままにしておきました。

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継続検査

車検整備と並行して継続検査を受検する準備をしておきます。車検は有効期間の満了する日の一ヶ月前の次の日からに受検できます。ユーザ車検の手順および受検場所は小型以上のトレーラと軽トレーラでは若干異なりますのが、大体次のような手順となります。

予約

各陸運支局または軽自動車検査協会にユーザ車検の予約を行います。多くは自動受付となっているようで、プッシュ・ホン式電話で申し込みます。5桁の受付番号が交付されますので、必ずメモをしておきます。受検時に必要です。

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書類の準備

必要な書類は車検場近くのいくつかの施設で購入できます。

  1. 継続検査申請書(押印が必要)
  2. (軽)自動車検査票
  3. 自動車重量税納付書(この下欄に自動車重量税印紙を貼付します)
  4. 自動車検査証(車検証、現有のもの)
  5. 牽引車の車検証も確認に必要ですから、準備しておきます。
  6. 自動車損害賠償責任(自賠責)保険証明書(現在の保険証明書と次の保険期間分の新しく加入した保険証明書が必要)
  7. 検査場で加入可能です。
  8. (軽)自動車納税証明書(継続検査用)
  9. 定期点検記録簿(押印が必要です)

このほかに検査手数料(1,400〜1,500円)が必要です。

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受検

受検当日、予約時間に車検場へ到着します。トレーラとトラクタはセットで許可されるものですから、トレーラの車検証に記載されているトラクタ(牽引車、複数あればどれか1台)で車検場まで牽引していきます。トレーラ以外の一般車はラインで検査を受検するため、コースごとに並んで駐車しますが、トレーラはラインへ入らないことが多いと思いますから、コース横の邪魔にならない場所に駐車します。(検査場によって異なるかもしれません)
受付窓口で自動車重量税印紙を購入し、その場で自動車重量税納付書に貼付します。次に検査手数料を払い込み、書類の点検をしてもらいます。
全ての書類が揃ったら、次の受付窓口を指示されますので、そこで検査の受付を行います。トレーラはあまり数が多くないので、自分の車のところで待つよう指示され、検査官が出向いてくることが多いようです。受付の指示に従ってください。

実際の検査は書類のチェック、車台番号の確認、各部の状態確認、点検ハンマーによる主なボルト類の緩み検査、灯火類の点灯検査、制動装置の作動検査、トラクタの確認などが行われます。時間は5〜10分で終了します。検査が無事終わると、確認印を押してもらえるので、受付窓口へ全書類を提出し、有効期間の更新された自動車検査証と自動車検査標章を受け取り完了します。

以上、私の受けた車検の概要を紹介しました。興味のある方は挑戦してみると良いと思います。

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2003年 1月 9日 初版
2003年 7月20日 改訂2


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