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Trailer トレーラ

ホイールからの異音



しばらくトレーラを引いていなかったのですが、ここ数回の釣行で、ホイールから「シャ・シャ」あるいは「キッ・キッ」というような変な音が出るようになりました。「しばらく走れば、そのうち直るよ ..」と楽観していたのですが、いつまでたっても直らないので、問題のホイールを点検することにしました。


原因を探ろう

  1. 異音の発生するホイール→クリックで拡大 冒頭で書いたように、「しばらく走れば、そのうち直るよ ..」と思ったのは、この音の出方が、走行速度にほぼ比例した断続音で、パーキング・ブレーキのディスクが錆びて、ブレーキ・パッドとの当たりが悪くなっているように思われたからです。このような場合、少しくらいの錆なら走行中にブレーキ・パッドと擦れ合っているうちに錆が取れますから、「そのうち直るよ ..」と考えたわけです。今回は「そのうち直らなかった」ので、錆が深く入っているか、その他に原因があります。取りあえずホイールを外してみることにしました。

  2. まずはホイールを外してみる→クリックで拡大 このトレーラはパーキング・ブレーキがディスク・タイプで、ブレーキ・ディスクはホイールでハブに押さえつけるようになっています。ホイールのクリップ・ボルトを4本外すと、ブレーキ・ディスクは簡単に外すことができます。写真のブレーキ・ディスク裏側がブレーキ摺動面となります。

  3. ブレーキ・ディスクの裏は錆だらけ→クリックで拡大 ブレーキ・ディスクを外した状態です。ご覧のように、ディスク摺動面はサビサビ状態で、これが異音の原因のようです。念のため、この状態でハブを回してみましたが、何ら異音は発生しませんでした。ここで異音が発生したら、ハブやスピンドル側に原因があるので面倒なことになります。( → そのような場合は Trailer >> ハブ・ベアリングの交換 を参照してください。)
    ディスク・ブレーキは走行中、ディスクとパッドが僅かに擦れ合っています。頻繁に走行している場合、錆が深くならないうちにパッドで擦れて錆が自動除去されます。しかし、しばらく利用していないと、このように深い錆びに発展します。特に海水に浸すトレーラでは、一般の自動車より遙かに錆の成長が早いと思われます。

  4. ブレーキ・パッドやリンクの点検 原因は分かりましたが、ついでにディスクの摺動相手となるブレーキ・パッドの摩擦材やパーキング・ブレーキ・リンク部の動きを確認しておきます。パッドにはディスクの錆が付着し、少し表面が硬化しているようです。リンク部は「釣行後の丁寧な洗浄?」の結果でしょうか、「油ぎれ状態」となっていました。それぞれ表面研磨と給油が必要なようです。

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修理

今回の修理は大げさにならず、基本的にはディスク摺動面の錆取りだけで済みそうです。以下に修理の記録を掲載しておきます。

  1. ディスク摺動面の錆取り→クリックで拡大 外したディスクの摺動面をP60*(ピッチ60番)程度の粗めのペーパで丁寧に研磨します。最初は楽に出来ると思ったのですが、いざ作業に掛かると錆は思った以上に深く、手作業で研磨するのは結構大変です。

    *:サンド・ペーパの粗さは「P(ピッチ)***」で表します(以前は#***)。
    「***」は1インチ(25.4mm)当たりに研磨材の粒子が何個並ぶかで決まる数値です。粗めのペーパほど、この数値は小さくなります。規格として、#24、#60、#80、#120、#180、#240、………、#2000程度まで市販されています。
  2. 深い錆が無くなるまで磨く→クリックで拡大 手作業では日が暮れるので、電動サンダーの手を借りることにしました。この研磨は深い錆を取るので大変なのですが、ディスク・グラインダーなどの砥石は絶対使わないようにしましょう。作業には必ずサンダーのペーパを使います。グラインダーで研磨すると、ブレーキ・ディスクの摺動面に深い傷や凹み作り、ディスクを痛めます。ブレーキ・パッドとの摺動が均一に行われなくなる恐れがありますので注意してください。
    今回は写真のように、深い錆を一通り研磨しました。どうせ錆びますので、深くない錆の汚れを気にして「ピカピカ」にする必要はありません。

  3. ブレーキ・パッドも磨く→クリックで拡大 ディスクの錆取りが終わったら、ブレーキ・パッドの表面も軽く磨いておきます。走行中にディスクとの摩擦を繰り返しますので、しばらく使用すると表面が硬化します。サンド・ペーパで「一皮めくる」ほどに研磨します。また、ブレーキのリンク機構にはグリースを給油し、スムーズに動くように何度か動かして油を十分回してやります。

  4. ディスクとパッドの当たりを点検→クリックで拡大 ブレーキ・パッドは、走行中ディスクに軽く当たっている状態に調整します。この調整はパーキング・ブレーキ・ワイヤの長さ調整で行えますが、最終調整はホイールを取り付けてから行います。サイド・ブレーキを解放した状態でホイールを手で回し、「サー」というパッドとディスクの擦れ合う音が僅かにするようなら良好です。ホイールの回転が重かったり、すぐ止まってしまうのは、パッドの当たりが強すぎます。ブレーキ加熱の原因となりますので、調整は慎重に行ってください。

以上、ブレーキの異音についての修理記録でした。ディスクに錆が出て音が出るというのは、釣行が少ないからに違いありません。今後、心して釣行に励みたいと考えております。(^o^)

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2003年 9月 5日 初版


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